月別アーカイブ: 2018年11月

【極東シベリア】国際猫ショー

サハリンのユジノサハリンスクで、国際猫ショー(Международная выставка кошек)なる催しが開かれたそうです。

主催したのは国際猫連盟(World Cat Federation:WCF)という、素人目にはうさんくさそうな?組織で、アヴァンタージ(Авантаж)という猫愛好家の団体が企画したものであるとのこと(WCFのサイトはこちら)。品種もさまざまな猫74匹が、青年の部・成人の部ならぬ青猫?の部・成猫?の部のそれぞれに出展し、モスクワやハバロフスク、エカテリンブルクから招待された専門家が評価したり、人気投票が行われたりしたようです。
出展した猫たちとは別にセールも行われて、気に入った子猫を選んだり、のちに譲ってもらうべく飼い主と交渉したりするシーンが見られたようでした。

品種としては、シベリアン、アビシニアン、スコットランド、カーラー、ベンガルとかいった名前が並んでいるのですが、門外漢にはさっぱりわからない…

ロシアには、猫をならして芸をさせる芝居小屋があるそうで、あのなつかない連中をあやつれる人たちというのは、どんな才能を持っているのだろう、と常々思っているのですが、こうした猫ファンの底辺のような場所におじゃまする機会があれば、そのあたりの秘密がわかるのかもしれません。

Photo via Good Free Photos

【スウェーデン】ヘラジカが通行人を襲撃

日本でも山間部やふもとの集落で、野生の獣類に出会うことがあります。
シカやサル、キツネ、カモシカといったところですが、たいていの場合は相手が人間を恐れているので、すぐに逃げてしまいます。
が、中には逆に人間に立ち向かってくるものがあります。クマやイノシシが代表選手です。
時折仕事で山に入った人が襲われて怪我をした、というニュースを見聞きします。

スウェーデンのネット記事を見ていたら、パンダみたいに目の周りにあざができた人が写っていました。
犬を連れて散歩中に、突然現れたヘラジカに襲われて、顎を強打され歯を折られ顔に大怪我をしたとのこと。
この事件に前後してもう一人、やはり犬連れで歩いていたときにヘラジカに蹴倒され、肋骨を折られ肺に穴が開くほどの怪我をした被害者の話が載っています。

この記事は、リンク先のいくつかのサブ記事をまとめたもののようで、それらを読んでいくと、事件のあったのはイェーテボリ(Göteborg)近郊のリンドーメ(Lindome)というところで、2つの事件のあと、警察から要請を受けた地元の猟師によって、ヘラジカが一頭射殺されたそうです。
ただし記事を読むと、バスの待合室にのこのこと入ってきたヘラジカを、恐れた人間が撃ち殺したようで、これが二人を襲ったヘラジカなのかは確かでありません。

確か日本でも、北アルプスの乗鞍岳の畳平で、バスターミナルに迷い込んだクマがパニック状態になって逃げ回り、ハンターによって待合室に追い込まれて始末されてしまった… といった事案があったような気がしましたが、こうしたカタストロフィに至る原因は動物側にあるのか、人間側にあるのか、よくわからなくなってきます。

ヘラジカというのは、北欧からシベリア、北米のカナダなどに分布する大型のシカです。
奈良公園のシカのように、大きな角を生やしているのですが、へらのような形をしているために、この名があるようです。

前述のヘラジカを倒した猟師の話として、この地方は果物がなるシーズンなので、それをお目当てにやってくるヘラジカと、人間が出会う機会が多くなっている、また人が連れている犬に、ヘラジカが神経質になっている、これが事件の背景ではないか、との推測を伝えています。

日本における獣害については、代表選手のクマ類による人身被害の実数が環境省のサイトに載っていました。
これによると毎年50名から100名くらい、多い年では150名ほどの被害者が発生していて、うち2~4名程度の死者も出ているようです。
クマ以外の動物による人的被害もあると思うのですが、資料を見出せていません。
その代わりではないですが、同じく環境省の調査結果として、その他獣類による農作物被害の文献を挙げておきます。こちらのトップはシカのようです。

シカというと人的被害というより、道路に飛び出してきて車と衝突するケースが多いように思いますが、
3ページの、農作物被害の円グラフから推察すれば、シカやイノシシ、サルによる、人への被害もあるのかもしれません。
10ページのグラフを見ると、クマ類による人身被害は年々増加傾向にあるようです。

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【チェコ】プラハ市の交通運賃割引制度

プラハ市ではこの10月から、学生と高齢者を対象とした運賃割引制度をスタートさせる、とのネットの記事がありました。

プラハ市民で60歳を超える人と、26歳までの学生は、一年1,280コルナのクーポンを購入できるというもので、このほかに1ヶ月130コルナ、3ヶ月360コルナのクーポンも用意されるそうです。
現在学生は10ヶ月で2,400コルナ、シニアは5ヶ月で1,100コルナのクーポンが買えるが、
この制度によって学生とシニアは年間60%以上、費用を抑えられるだろう、との関係者の声が載っています。

学生の場合、10ヶ月で2,400コルナということは、12ヶ月では2,400÷10×12=2,880コルナ。
これが1,280コルナになるのであるから、減少割合は(2,880-1,280)÷2,880=55.55…%。
シニアの場合は、5ヶ月で1,100コルナなので、12ヶ月では1,100÷5×12=2,640コルナ。
これが1,280コルナになるのであるから、減少割合は(2,640-1,280)÷2,640=51.51…%。
自分の計算では、お偉いさんが言うほどのコストダウンはなさそうなのですが、実際にはこれ以外に負担があるのでしょうか。

割引によって減少する収益の財源には、市の予算を充てるそうで、その額は2億800万コルナと見積もられているとのこと。

ちなみにチェコの通貨コルナ(CZK)は、10月30日現在、
1 CZK = 4.96 JPY ですので、1,280コルナは6,349円となります。
1ヶ月130コルナは645円、3ヶ月360コルナは1,786円です。
2億800万コルナは10億3112万2039円…

東京近郊であれば、1ヶ月645円の乗り放題切符なんて、2,3日で元が取れそうです。
しかもこのクーポンは列車、路面電車、バス、地下鉄とさまざまな交通機関で使えるようです。
現地の物価水準がわからないのでなんともいえませんが、これは相当の大盤振る舞いではないだろうか。
もっとも東京にも、70歳以上の都民を対象にした、
年間1,000円の負担でバスなどが乗り放題になるシルバーパスの制度(詳細はこちら)があるので、
行政施策としては珍しくないのかもしれませんが…

プラハ市の人口は約120万人で、日本でいえばさいたま市と同じくらいです。
さいたま市の平成30年度の一般会計の当初予算は約5,540億円ということで、
10億円程度の捻出は可能なのかもしれませんが、大丈夫なのでしょうか…

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【アラスカ】カブトムシによる森林被害

カブトムシというと、長い角を一本伸ばした、黒っぽい昆虫のイメージがあります。

小学校の夏休みにどこからか手に入れてきて、虫かごの中に押し込んで、スイカの切れ端か何かを与えていたような記憶がありますが、これの仲間がアラスカで大発生して、広範囲に樹木を枯らしているらしい。

現地の新聞の電子版によれば、spruce tree(トウヒ)が spruce beetle による集団被害を受けて、米国森林局の最新の発表では今年、558,000エーカーの森林が被害を受けた、2016年からの総被害面積は100万エーカー近くにのぼる、ただしこれは空からの観察なので、実態を反映しきれていない…

ちなみに1エーカーとは0.004平方キロメートルなので、55.8万エーカーは2,258平方キロメートル、100万エーカーは4,047平方キロメートルに相当します。参考までに、国土地理院の平成29年全国都道府県市区町村別面積調(URLはこちら)によると、東京都の面積が2,193.96平方キロメートル、滋賀県の面積が4,017.38平方キロメートルになっています。

spruce beetle などのキーワードで画像検索してみると、カブトムシというよりカナブンとかカミキリムシ、ハンミョウのような、積んだ材木の陰からこそこそと出てきそうな連中の写真が上がっています(アイキャッチの画像は spruce beetle とは直接の関係はありません)。
このカブトムシはもともとアラスカに住んでいて、温暖になると発生するので、大発生の原因として専門家は気候変動や、温暖化によって2年かかって成虫になっていたライフサイクルが1年に短縮された可能性を挙げているようです。

このカブトムシの専門サイトがあって、水をかけて落としたり、限定量の殺虫剤を使うなど、対策をアドバイスしているようですが、もし食い荒らされてしまったら、木ごと切るか、枯れた木を取り除くしか手はないそうで、規模の大小はあれど、庭の植木や果樹がダニや蛾の幼虫などにやられたときと同レベルの対応をするしかないことに、意外性を感じています。

Photo via Good Free Photos