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【ラトヴィア】デカウサギ特集

犬は狩猟用や牧畜の管理用、あるいは警備用と、もともとは家畜として飼われていたわけですが、近年は愛玩動物、すなわちペットとして飼われているケースが大半と思われます。
こうした愛玩動物に対しては、親から生まれた個体を育てていくという飼育だけにとどまらず、品種を掛け合わせて新しい種類を作っていくといったこともよくおこなわれます。

ウサギももともとは家畜でしたが、欧州のほうではこのウサギを品種改良?して、体長70cmとか、体重7kgといった、大型の品種を作ることがおこなわれてきたようです。
ラトヴィアにそうした伝統?があったのかどうかは定かでないのですが、地元の新聞にウサギの特集記事がありました。

ベルギージャイアント、コーカサスジャイアント、ジャーマンビッグバタフライ、セントニコラスなどの品種ごとに、作られた年代、国、掛け合わせた品種、体長・体重・体格・毛並みの色などの説明があります。
大きなものになると、体長が65~72cm、体重は7kg以上に達するものもあるそうです。
ただし記事自体はこれらの説明文に終始していて、そうした品種が作られてきた背景や用途については触れていません。
他とは独立した記事のようで、何らかのイベントとの関連があるかどうかは不明ですが、保存や品種改良を目的とした団体や催しは、ご当地にもありそうです。

因幡の白兎の話があるように、日本列島にも古来から野生のウサギが住みついていました。
こうした在来種の系統や、どこからやってきたのかについてはよくわからないのですが、その中に日本白色種という白い品種があって、その大型の改良種の品評会が秋田県で催されているようです(案内の記事はこちら)。
リンク先のチラシを見てみると、イベントではこのほかに、日の丸鍋と称するウサギ鍋の試食や、デカウサギもとへジャンボウサギの販売も行われるそうです。

それにしても体重10kgのウサギって一体…

Photo via Good Free Photos

【ラトヴィア】報道に見える日本観

ラトヴィアと日本はかなり距離を隔てていますが、情報化社会の網はお互いをカバーしていると見えて、現地の報道記事にも、時折日本の話題が出ています。

2007年に天皇皇后両陛下の訪問があったということもあってか、このたびの退位に関するいきさつは興味を引いているようです。全体的には時事問題、政治経済分野よりも、どちらかというと観光案内的な内容が多く、京都や浅草の正月風景の紹介や、花見の記事などもありました。利害や損得の側面がなく、平和というのか、どこか現実感のない、やはり遠い国なのだ、という思いがします。

反対に紙面(電子版なので画面?)に「Krievija(ロシア)」の文字を見ない日はありません。かつてソ連の一員だったということもあるのかもしれませんが、政府要人の発言と一挙一動、食料エネルギー問題から安全保障政策まで、東の大国に対するぴりぴりした緊張感が伝わってきます。

そんな中で、日本の一地方であった事件が報じられていました(記事はこちら)。内容自体は、公園の公衆トイレの屋根裏で暮らしていた男が捕まったという、新聞というよりはテレビのバラエティ番組か、エログロ週刊誌あたりが取り上げそうな他愛のないものです。ラトヴィア紙はBBCの報道を引用したらしく、BBCは毎日新聞の英語版を情報ソースとしています(日本語の毎日はこちら)。

BBCの名前を出していますが、ラトヴィアの新聞の感心なところは、子引きのBBCの文章を鵜呑みにせず、原典(毎日のテキスト)にあたって、情報の正確さを担保しているところです。この事件の舞台となっているのは大分県の臼杵市なのですが、BBCは西南日本のウスキとしていて、大分という言葉は出していない。そこをラトヴィア紙は Oita prefektūrā と補っています。またBBCの訳には誤りがあり、屋根裏部屋にペットボトルが300本以上あったというところを、500本のプラスチックボトルとしているのですが、こういうところも丸写ししていません。BBCは臼杵市役所が提供した、事件現場の純和風の公衆トイレの外見写真を、毎日と同様引用していますが、ラトヴィア紙は某SNSからとして、独自の画像を載せています(これがその、純和風の建物の内部なのかどうかはわかりませんが)。

ラトヴィア紙のタイトルを直訳すると、「3年間公衆トイレに隠れていた日本人」となるでしょうか。BBCは「3年間日本のトイレの上で暮らしていた男」、毎日の英語版は「3年間大分県の公衆トイレの上で暮らしていた男を発見」。3年間、公衆トイレというキーワードで読者の注目を狙っているところは同じですが、「住む、暮らす」ではなく、「隠れている(潜伏=slēpjas)」という言葉を使っているのが興味深いところです。男が逮捕されたということで、逃亡中の犯罪者と考えたのでしょうか。

例によって文章は、発見のいきさつや現場の様子、その後の対応などを淡々と伝えているだけですが、この出来事の何が彼らのアンテナにかかったのだろう、かの地にはこういう住生活?をしている人はいないのだろうか、潜伏する、という言葉に彼らの琴線に触れる何らかの意味があるのだろうか… と、想像をめぐらせてしまいました。

(アイキャッチ画像は電子版ラトヴィア紙「vesti.lv」より)

【ラトヴィア】オーロラが見える?

ラトヴィアでオーロラが見えるのでしょうか?

リガの近辺で撮影したという、オーロラの写真や動画がSNSに投稿されているそうです(新聞記事はこちら)。

オーロラは磁極付近の上空で発生する、大気の発光現象です。北半球では、北緯60~70度付近で観測されることが多いようです。地球は球体なので、発生地域から遠ざかるにつれて、天空上の位置が低くなり、やがて地平線の陰に隠れてしまいますが、まれに北海道あたりでも見えることがあるそうです。

リガは北緯57度くらいなので、北海道よりは高緯度ですが、オーロラツアーのメッカとも言うべき、カナダのイエローナイフやフィンランドのラップ地方に比べればずっと南です。本当にオーロラなのかなあ、見えたとしてもショボいものじゃないのかなあ、などと疑ってしまいましたが、画像を見てみると、なかなかそれっぽいものが写っています。

冬の夜空は星がきれいですが、たまにでもこうした天空のショーが見られると思うとわくわくしますね。

 

【ラトヴィア】家系図作成サービス

日本でも家系の調査、あるいは家系図の作成を請け負うサービスがありますが、ラトヴィアでも同様の調査をしてくれるという記事です。

国立公文書館という、カチカチのお役所?が、70ユーロの調査費用で調べてくれるそうです。家族の姓、名前、出生届、婚姻届、死亡届といった、対象を特定する情報を提供する必要があります。期間的には6-12ヶ月、場合によってはそれ以上かかるとはいえ、1万円以内で引き受ける、というのは安い感じがします。

日本では家系図作成ソフトというのもあるようですが、サービスの場合は費用数万円からあるようで、片親のみ、両親、配偶者の家系も含める、などのヴァリエーションによって価格設定がされているケースが多いようです。多くのサービスは、明治時代の戸籍を調べることにより、200年くらいの過去であれば比較的容易に作成ができるようなことを謳っています。このほかにも家紋や寺の過去帳、古文書を調べるなど、探偵まがいの調査を行って、さらに古い先祖探しをするところもあるようです。ラトヴィアの場合はどこまでさかのぼることが可能なんだろう?

自分の先祖は誰なのか、どこから来たのか、といった思いは洋の東西を問わないと、記事を見たときは思いましたが、ラトヴィアの場合は、言語的にも民族的にも異なる周囲の大国のはざまで翻弄されてきた歴史があり、家系のとらえ方も知識的興味の側面が強い日本とは違って、アイデンティティが重視されているのではないか、家系図というより血統書のような意味合いがあるのではないかと、かの地の人たちの発想を考えてみました。

【ラトヴィア】森林墓地

まだまだ利用可能な土地が豊富な印象のあるラトヴィアですが、墓地の不足が危惧されているのは同じと見えて、「森林墓地」なるものを新たに作り、そのできばえを市議さんたちが視察にきた、との記事がありました。

記事によると、リガ郊外で新たに切り開いた土地に、1区画に4つの骨壷が収められる、2~5階建ての安置施設を11建てたそうです。区画は全部で288あり、この3月から納骨が可能になるとのこと。

現在の墓地需要のペースで行くと、あと10年か15年で墓地スペースがいっぱいになってしまう、との見積もりの上で、こうした事業が進められている、とありました。

日本でも、敷地の上に墓石を立てる、昔ながらの墓地の形ではなく、寺院の建物の一角にまるでロッカーのような外見をした墓地?を設置しているところがあります。一種の納骨堂なのだろうけれども、古い人間としては違和感を禁じえない。もっとも墓参や維持管理をする立場であれば、負担が少ないのは明らかなので、これも現代的な風景といえます。

記事の写真を見ると、ベンチや遊歩道もあって、高い木々に囲まれた森の中の墓地というより、明るく切り開かれた公園といった風情です。日本の場合、納骨スペースは室内にあることが多いようですが、ここは鳥小屋か養蜂のミツバチの箱のようなたたずまいをしています。ガラス窓が空を映し、氷をイメージしているようなオブジェにも北欧の香りを感じるのですが、出入り自由なのだろうか、壊されたり、いたずら書きなどされないだろうか、などと下世話なことを考えてしまいます…

かの地の埋葬事情はよく知りませんが、リガ市では毎年、7,000人の埋葬が行われるらしく、そのうち約10%の遺族が火葬を希望するそうです。言い換えれば埋葬の大多数は従来型の埋葬施設を必要とするわけで、このあたりにも日本の事情との違いがうかがえて、興味深いものがあります。

 

【ラトヴィア】レジ袋を使い続けるか

環境問題への取り組みは、日本に比べると欧州は厳しく、ラトヴィアも例外ではないようです。

表題の記事は、専門家の解説のような形をとっていますが、海洋投棄による動植物への危険性、有害物質の蓄積による人体への影響など、主に環境汚染を切り口にした啓蒙的な内容です。レジ袋にまつわる問題にはほかにも、石油資源の消費とか、焼却による二酸化炭素の増加といった側面があると思うのですが、そうしたテーマには触れていません。

使用量の削減と並んで、材質の改善や素材の見直しなどの現状が書かれていて、日本の3Rとはちょっと趣が違うように感じました。

日本では、2002年に日本ポリオレフィンフィルム工業組合が算出した、約300億枚(=約25万トン)という数字が、レジ袋の使用量とされてきました(参考:環境省ホームページ)。記事を見るとEU全体で年間162万トン(記事中の画像の中には、1,000億枚とあります)、ラトヴィアではこのうち3,050トン、300万枚が使われている、とあります。ラトヴィアの人口は200万人くらいであるし、日本やEUの割合からすると、枚数が少ないようにも見えるのですが、数え方が異なるのかもしれません。

写真では青色のレジ袋が写っていますが、そういえば海外の袋はこんな感じで色つき、透過度も高かったような気もします。

 

【ラトヴィア】読書に関する調査

日本でも、本を読むか読まないか、といった世論調査がありましたが、同様の調査がラトヴィアでも行われていて、その結果が報じられていました

それによると、昨年12月の前半に、ラトヴィア全土から無作為抽出した18歳から74歳までの1,003人の回答者に対して、どんな本をよく読むか、と直接インタビューしたところ、41%が、本は読まないと答えたそうです。

この41%の詳細については何も語られておらず、記事はその後、現代のラトヴィアの作家の作品を読む人がどれくらい、古典的なロシアの作家の作品を読む人がどれくらい、何語で読むか、読み本はどこから入手するか、といった数字を並べています。21%の人は毎日少なくとも30分は本を読むそうで、53%の人は、過去半年に少なくとも1冊は本を読んでいる、と答えたそうです。5年前より読書量が増えていると答えた人は12%、逆に減っていると回答した人は50%とのこと。

100年後の読書習慣について回答者に予想してもらったところ、22%の人は今より多くなっていると答え、61%の人は現在ほど本には注意を向けないだろう、と否定的な見方を示しています。

冒頭あげた、日本の世論調査ですが、この中には「1ヶ月の読む本の冊数について」「読書量は以前に比べて減っているか、増えているか」といった、ラトヴィアの調査項目と似た質問があります。それによると、平成25年度では47.5%の人が1ヶ月に1冊も読まない、と回答しています。1ヶ月に1冊も読まなくても、半年なら何か手に取るのでは、と思えば、ラトヴィアの41%より文字離れが進んでいる、とは言えないかもしれません。逆に言えば、半数以上の人は1冊以上は読んでいるということで、期間のとり方に違いがありますが、割合的には過去半年に1冊は読んでいるラトヴィアの53%とどっこいどっこいかと。

一方、読書量が減っていると答えた割合は65.1%、増えていると答えた割合は7.4%(いずれも平成25年度)。設問が若干異なっていますが、数字的には日本のほうが、読書量の減少が進んでいるように見えます。

ラトヴィアの質問の詳細がわからないので、なんともいえないのですが、日本の調査は、読書量が減った理由や読書すべき年代、読書のよいところなどを尋ねていたりして、数字だけでない、定性的な回答が読めて興味をそそります。逆にラトヴィアの調査結果では、言語をきいていたり、読み本の入手先として、購入よりも図書館が多かったりして、なかなか国柄を反映している、と、面白みを感じたりしました。

 

【2月11日群馬県前橋市】セミナー開催します

開催テーマ:【北の国で暮らす ラトヴィア編】 第1回 ラトヴィアとはどんな国か ~現地のアウトライン~

開催日時: 2017年2月11日(土) 13:15~14:45

会場: コワーキングスペース「田舎フェ」
〒371-0022
群馬県前橋市千代田町5-13-9
TEL: 027-288-0222

定員: 6名

参加費と支払い方法: ¥1,500 (税込価格、当日現金払い)

内容: 衣食住、教育、医療、通勤、財テク、税の話など、北の国での暮らしにまつわるノウハウと裏話を紹介、解説するシリーズです。今回取り上げるラトヴィアは、バルト三国の中央に位置する国です。音楽の分野では、これまでもさまざまなトピックを提供しています。近年、手芸や木工製品など、手工業製品の人気が出てきました。この連続セミナーは、ラトヴィアでの居住を経験した人たちへの聞き取りを通して、現地での生活の実際と注意点についてお話していきます。今回はその第一回目として、国の概要についてお話します。

注意事項

  • 参加者が2名に満たない場合は開催中止します。その場合は本サイトにてご案内するとともに、参加申し込みされた方にご連絡いたします。

申し込み期限: 2017年2月10日(金)23:59

主催者: 北方圏暮らしだより 090-3507-9912

【ラトヴィア】アフリカ豚コレラ

現地のニュースをウォッチしていると、最近豚の写真を多く見かけます。アフリカ豚コレラなるものが流行していて社会問題になっているらしい。

農水省のHPなどで調べてみると、アフリカ豚コレラというのは豚といのししだけに感染する伝染病で、発熱や出血があり豚コレラと似ていて、致死率が極めて高いそうです。ダニが媒介するウィルス性の病気で、現時点では治療法もワクチンもなく、感染が確認された場合は殺処分するしかないらしい。

名前のとおり、元々はアフリカのサハラ砂漠以南で発生があったようですが、近年そこから遠く離れたバルト海から黒海にかけての地域で、ぽつぽつと感染報告が出るようになりました。先のHPにロシア周辺の発生状況を示した地図が載っていますが、ラトヴィアではかなりの数の報告があります。多くは家畜の豚ではなく、野生いのししのようですが…

日本ではこれまで、発生の確認がないそうですが、「豚コレラ」ならあったような気がします。豚コレラは2007年に清浄化を達成した、とありますので、それ以前には新聞をにぎわせるような事案があったのでしょう。

鳥インフルエンザについては、近隣の国で発生があったから気をつけろ、といった警告レベルのニュースを見ることがあります。鳥インフルは鳥から人への感染がまれにあり、衛生当局が鶏でなくても発生に神経を尖らせるのはわかるのですが、人にはうつらない豚の病気についての報道を、現地の人はどの程度のインパクトをもって見聞きしているのだろう。

土地が変われば病気も変わる。広い世界にはなじみのない病も多いのでしょう。豚というと、身近な食材でもあるので、ちょっと気になってしまいました。

 

【ラトヴィア】政党支持率

現地に「ラトヴィアン・ファクト」なる民間調査会社があって、消費者信頼度指数調査だとか、閣僚人気度などを毎月ウェブサイトにアップしているようです。

このなかに、「Party ratings」という調査があります。その名のとおり、議会を構成する政党に対する評価を集計したものです。ウェブ投票なのか、電話インタビューなのか、対面なのか、調査方法はよくわからないのですが、1,000人くらいを対象にした調査のようです。メニューをたどってゆくと、最新の結果を見ることができます。

pdfファイルをダウンロードして読んでみると、左上に質問が書かれています。直訳してみると、「もし明日議会の選挙があるとしたら、どの政党に投票すると思うか?」というところでしょうか。

これを政党支持率と呼ぶか?意味としてはそんな感じもしますが、投票するのと支持するというのは、ちょっと違うような気がします。支持政党だからといって投票するとは限らない。

日本だと、政党支持率を求めようと思ったら、「どの政党を支持するか?」という質問に対する回答を集計すると思います。一見すると、こちらのほうが合理的に思えますが、そもそも「支持」って何なのだろう?それは投票結果として明確に示されるものではないか?普段口先で盛んに応援していたとしても、投票箱の前での行動が、結局は態度の最終表明なのではないだろうか?そう考えると、この調査の質問は、遠まわしのような表現に見えて、実は支持の本質を突いているように思えてきました。

それにしても、「わからない/未定」といった選択肢のほかに、「投票しない」などという項目もあって、このあたりに向こうの人らしい、強い意思表明を感じたりしました。